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投信初心者の医師におすすめするインデックス投資

今や日本でも投資信託は資産運用の中でも大きな柱となりつつあります。

しかし意外にも投資信託のことをよく理解していない方が大勢です。

自分が「何に投資しているのか?どんなファンドなのか?」くらいは最低限理解しておくべきでしょう。

今回はその投資信託の基礎的で重要なポイントをおさらいしておきましょう。

 

インデックスかアクティブか?

数ある投資信託の中から自分の考えに近い投信を選ぶ際、選択しないといけない点が『インデックスファンド』か『アクティブファンド』かということです。

この2つはよく耳にする言葉ですが、一体何がどう違うのでしょう?

ちゃんと理解しておられるでしょうか?

この2つのファンドの違いを一言で言うと、『運用目標が異なる』ことです。

そもそも各々の投資信託にはベンチマークと呼ばれる運用の目標が設定されています。このベンチマークには皆さんがご存知の「日経平均」「東証株価指数(TOPIX)」や「ダウ平均」などの経済指標が用いられます。

投資信託は、‟このベンチマークに対してどのような運用方針で臨むか“がそもそも大きな違いとなるのです。

具体的に説明しますと、このベンチマークに対して『同等の成果を目指す』のがインデックスファンドであり、ベンチマークを『上回る成果を目指す』のがアクティブファンドとなります。

この違いが各々に更に大きな違いをもたらすこととなるのです。

インデックスファンドでは、特定の指数(ベンチマーク)と投資信託の値動きが一緒になるよう運用されています。また大部分のインデックスファンドでは、ファンドの販売名にも「インデックス」という単語が入っています。「日経平均」をベンチマークとしたインデックスファンドであれば、日経平均株価が1%値上がりすれば、投資信託も同じように1%値上がりします。日経平均株価が1%値下がりすれば、やはり1%値下がりします。

これに対して、アクティブファンドの場合は、ベンチマークが同じ「日経平均」でも、日経平均株価を上回る運用成果を出すことが目的です。たとえば、日経平均株価が1か月で10%値上がりするとしたら、10%以上の値上がりを目指す運用をします。そのため、企業の成長力などを丹念に分析し、指数を上回る値上がりが期待できそうな銘柄を選別してファンドに組み入れているのです。

これがインデックスとアクティブの大きな違いです。

 

インデックスファンドのメリットとデメリット①

ではこのインデックスファンドは、アクティブファンドと比べてどのようなメリットがあるのでしょうか?

インデックスファンドはその特性からベンチマークである『指数』に極めて近い運用を行います。このためバランス良く市場全体に分散投資ができるのです。

当然の話ですが、投資信託の値動きを特定の指数と同じにするには、指標を構成する銘柄を、指標と同じ比率で保有することが必要となります。つまり「ベンチマークの構成銘柄と構成比率=インデックスファンドの構成銘柄と構成比率」となってくるのです。その為、もともとのベンチマークである『指数』が、数多くの銘柄から計算・構成されている為、必然的にインデックスファンドも数多くの銘柄に投資されており、分散投資が自ずと図られているのです。

例えば「ニッセイ日経平均インデックスファンド」などは、日経平均採用銘柄である225社の株を、日経平均株価と同じ割合で保有しています。そうすることで、自動的に日経平均株価とまったく同じ値動きとなるからです。

これに対してアクティブファンドはより利益を追求する為、値上がりしそうな銘柄に絞り込んだ集中投資を行います。その為、上がりも大きくなりがちですが、同時に下げも大きくなり易くなるのです。

インデックス投資は幅広い分散投資となるため、アクティブファンドに比べ値動きはマイルドとなります。個別株式投資のような集中的な投資に比べると、高いパフォーマンスは得られませんが、一方で『自動的に(分散投資を行うことにより)リスクを低下させている』というメリットがあるのです。

 

インデックスファンドのメリットとデメリット②

また次によく挙げられるのが安価な手数料です。

インデックスファンドを購入する際に必要となる購入時手数料や運用中の信託報酬は、アクティブファンドに比べると低めに設定されています。

インデックスファンドは基本的にベンチマークとなる指数を同じ構成・比率にするだけなので比較的手間は掛かりません。はっきり言うと銘柄選定などにあまり労力を使わなくて良いのです。これに対し、より利益を追求しようとするアクティブファンドは、銘柄分析の為に多数アナリストを雇い入れ、優秀なファンドマネージャーのもと実際に売買を繰り返します。このため一連の費用が必要となってくるからです。この差が直接的に「手数料(コスト)」の差となって現れます。

特に最近ではインデックスファンドの中には購入時の販売手数料がかからない「ノーロード」と呼ばれるファンドも増えてきています。

一般的に投資信託の購入時には3%程度の手数料が必要になってきます。つまり購入時に3%程度の手数料が必要になるということは、元手資金100万円でスタートしたとしても、運用は実質97万円からスタートすることになってしまいます。これが実質100万円からスタートできるのは大きなメリットと言えるでしょう。

 

インデックスファンドのメリットとデメリット③

また運用関係者の間で、よく「アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない!」と言われます。専門用語で『BUY&HOLD(バイアンドホールド)』と呼ばれるように、「長期保有」すれば、インデックスファンドのほうが運用成績が良いと言われるのです。

折角、優秀アナリストやファンドマネージャーを集めて一生懸命に運用しても、長期的に運用成果はインデックスに分があるようです。投資対象や運用時期によって異なりますが、概ね50~70%のアクティブファンドがインデックスファンドに負けていると言う話もあるくらいです。

そういう意味でも投信初心者にはインデックスファンドがお勧めでしょう。

ただし、前回のヘッジファンドのコラムでも述べましたが、インデックスファンドも、ベンチマークが下がったからと言って決してファンドが運用を止めることはありません。ベンチマークの価格が下がった場合には同じように投信の基準価格も下がっていきます。つまりこれを食い止める為には「自分で運用を止める(=解約する)」必要があります。この点は十分に理解しておくべきでしょう。

 

インデックス投資から始めよう

  • 「投資信託ひとつで、市場全体にバランス良く分散投資が出来る」
  • 「他の投資信託と比べて低コスト」

というインデックスファンドの2つのメリットであり、これを最大限に活かす投資法方法が「インデックス投資」です。

インデックス投資をひと言で説明すると、「インデックスファンドを使って世界中に分散投資し、長期保有することで利益を狙う投資法」です。

このインデックスファンドを使った「インデックス投資」は世界中で評価されています。当社も中長期的には有効な投資方法であると考えています。

投資信託をお持ちの方は多くいらっしゃると思いますが、是非この機に保有しているファンドの中身を見直してみることをお勧めします。また投信初心者の方はこのようなインデックスファンドから購入されると良いでしょう。

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大西宏明

・プロフィール

株式会社VIDA MIA代表取締役
生命保険・損害保険のコンサルティング、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として長期資産運用の提案、相続・事業承継対策として遺言の作成および民事信託(遺言代用信託)スキームの提案、と保険やオペレーティング・リース、投資信託など多岐に渡った金融商品を取扱い、専門家の税理士や弁護士とも提携してワンストップ型の独立系総合金融サービスを展開しています。

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・経歴

1972年生
滋賀県守山市出身

1991年
洛星高校 卒業

1996年
神戸大学 教育学部 卒業

1996年
大同生命保険相互会社 入社。企業年金部に配属後、大阪・京都で営業課長を歴任。

2015年
株式会社FPG 入社。大阪・広島で副支店長としてオペレーティング・リース(JOL)の販売に従事。

2016年
株式会社VIDA MIA 代表取締役就任