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医師をしながら大学院に通い、キャリアアップを目指す

医師が将来のキャリアアップを考える際に、気になるのは「博士号」の取得です。病院で患者さんに接し続け、臨床に従事していければいい、ということであれば、大学院に入る必要はないでしょう。博士号は足の裏の米粒とも揶揄されるように、「取っても食えないが、取らないと気持ち悪い」ものです。実際に大学病院が、学位の取得を講師以上の出世には必要の条件としているのは暗黙の了解になっているようです。つまり少なくとも大学病院では、博士号を持っていないと臨床医としてのキャリアに支障をきたすケースが多いようです。ここでは医師として大学院に通う場合の生活パターンや、一般的な進学までの流れ、博士号を取得した場合の将来性などについてご紹介します。

 

医師が大学院に進学する目的は?

医師が大学院に進学する目的は、研究が好きで研究に専念したいから、専門とする診療科の知識を深めたい、教授になりたいから、開業・出世を考えると医学博士号があった方が有利といったものが挙げられます。

医学博士号を取得するには、通常、大学医学部を卒業後(6年間)、大学院の医学系の研究科で博士課程を修了し、博士論文の審査に合格して取得するか(課程博士)、大学卒業後に医師として勤務しながら、博士論文を作成し大学が定める公聴会に提出し合格して取得(博士論文)する2つの方法があるようです。

この課程博士と論文博士は学位のグレードが異なり、国立の大学病院では講師以上の地位である教授、准教授になるには課程博士号を条件としている病院もあるようです。しかし、実際にはほとんどの病院は論文博士号でも問題はないようです。

ではなぜ、大学院に進学せずとも医学博士号は取得できるのに、特定の国立大学病院のポストを目指していない医師でも大学院に進学し、学位の取得を目指すのでしょうか。その1番の理由は、大学院に入り、研究室に所属することで整った環境の下でしっかり研究に専念できるという事だと思います。大学院では、設定したテーマに沿って研究・実験を行い研究者としての姿勢や、研究のイロハを学ぶ事が出来ます。そこで得た知識は、臨床の仕事をしているだけでは味わえない経験と、指導医の先生との出会いがあります。また、大学院で得られた知識と経験は、実際の臨床現場でも役立つものが多くあります。

 

大学院に進学すると出世のスピードが違う?

大学病院で講師以上の准教授や教授の地位に就くには、「博士号」の称号が必要というのが暗黙の了解になっているところもあります。大学というアカデミックな場所で「研究に従事していた」という事が客観的に証明できる博士号は重要視される傾向にあるのです。

一般病院では出世には臨床能力が重視され、勤務年数や病院への貢献度などが出世の基準となると言われる事が多いですが、採用や昇進の際に学位の有無を参考にしている病院はゼロではありません。実際に大学病院のみならず、市中病院のポストを見据えて大学病院への進学をする人もいます。今でも大学病院や一般病院でも、学位がある場合、、学位がない人よりは、昇進が少し早くなる事もあるようです。開業医として病院を新設するときや親の病院を引き継ぐ際も、学位を取得していると肩書きに箔がつき見栄えが良くなるといった事もあるでしょう。

しかし、大学に戻って学位を取得する王道の出世コースは、専門医制度が普及した事により、出世の道は一本ではなくなってきました。10年、20年後に自分の目指す医師像を考えてキャリアアップの道を選ぶ必要があります。

 

医師が大学院に進学するまでの一般的な流れ

大学医学部を卒業後、医師国家試験に合格すると、2年間の初期臨床研修医期間が始まります。その後、後期研修医期間に入る、または大学院に進学するという選択肢が出てきます。大学院に進学するか、まずは臨床技術を高める事に専念するかを考えなければなりません。

一昔前は2年間の前期研修修了後すぐに大学院進学をする人が多かったようですが、現在では一般的には、ある程度臨床の経験を積んで、医師としての仕事ができるようになってから大学院に進学する人が多くなっているようです。その年齢は大学卒業後6~7年たった大体30歳代前半になります。

 

医師と大学院生を両立するのは難しくない?

上述したように最近では大学院に進学する医師は大体30歳代くらいになっています。そうなると所帯を持った人も多く、生活の糧を得る為に医師として働きながら大学院に通う人がほとんどです。

具体的な働き方は、大学院で研究をしながら、週に1日2日は一般の病院でアルバイトをします。このアルバイトは外来業務であったり、夜間や休日の当直であったります。平日は研究に専念し、土日で泊まり込みのアルバイトをする医師も少なくありません。家庭があり子供の学費や生活費が必要な医師は、もっとアルバイトを入れて、自分の大学院の学費も稼ぎながら生計を立てているようです。

医師と大学院の両立といった点で、外科医は特に両者のバランスを気にする必要があります。大学院に進学してから卒業するまでの4年間、臨床現場から離れすぎて手術ができなくなってしまうという人もいます。研究ばかりに時間が偏ってしまうと手術の経験は他から大きく差をつけられてしまうのです。内科医よりも、研究と医師としての仕事の両立を(手術の経験、症例数など勘案して)うまくやりくりをする必要があるでしょう。

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三木正孝
三木正孝

・プロフィール

医師の転職支援サービス「医師転職コンシェルジュ」を運営し、自らもエージェントとして医師の転職をサポートしています。これまでに14年間、多くの医師の転職を成功に導きました。

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・経歴

1969年大阪生まれ
大阪明星学園・明星高等学校卒業(高校3年時・剣道3段、玉竜旗全国高等学校剣道大会出場)
関西大学 法学部法律学科卒業(専攻・民法総則=高森ゼミ第14期幹事、大学4年時・剣道4段)

1992年
総合商社 ニチメン(現・双日株式会社)入社。商社マンとして11年間(1992-2003年)勤務

2003年
NZ・Hawaii短期留学・ビジネス視察

2004年
株式会社レイ・クルーズ設立、代表取締役に就任。
大前研一塾長ABS(アタッカーズビジネススクール)第19期
~現在に至る。