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医師の生活費の平均と内訳は?

かかりすぎ?医師の生活費の平均と内訳は?

2015総務省「家計調査」のデータによると、消費支出(月額)の全国平均は約31.5万円でした。その中で支出の上位にくる項目は、「食費」が約7.4万円、「交通・通信費」が約5.0万円、次いで「教養・娯楽費」が約3.0万円となっています。また他にも「教育」に関する項目もあり、その金額は約1.8万円となっています。この結果を踏まえて、医師のみなさんも一度ご自身のご家庭の生活費と比較してみてください。

【消費支出とは「生活費」から、税金や社会保険料などの消費を目的としない支出を差し引いたものになります】

医師の家庭における消費支出の特徴としては、①教育費が占める割合が高い、②住宅ローンや車のローン(マイカーローンなど)返済額が比較的高額、③食費も比較的高額、また他に、これは家庭にもよりますが、④遊興費や小遣いに関する支出も大きい、といった特徴が挙げられます。

これら全部に該当しているようなことはありませんか?

何度もお話してきましたが、収支の事情と内訳は各家庭によりかなり差があります。問題はその収入の中で、計画的に生活費を支出し、資産形成ができているかということです。

収入がいくらあっても、それを全部吐き出すような収支になってはいないでしょうか?

そういった支出過剰な「支出メタボ(体質)」、「生活費かかりすぎ家計」が最も問題なのです。

一つの目安として、『月収の1割が貯蓄ライン』とよく言われていますが、ご自身の家計はどうなっているでしょう?「高所得貧乏」と言う言葉を耳にしますが、そのような事態に知らず知らずのうちに陥って、抜け出せなくなっていないか、たとえ医師と言えど注意が必要でしょう。

 

医師の生活費は夫が管理?妻が管理?

医師は平均家庭より比較的収入が多いものの、支出についても平均よりも多いと言われます。心当たりのある方も多いのではないでしょうか。

そして、どのように生活費を管理しているかアンケートを取ると、夫が管理しているご家庭はさほど多くなく、奥様が管理しておられるご家庭がかなり多いようです。特に30代・40代の世代は医師として学ぶ事や経験すべき事が多い働き盛りで仕事に没頭しており、資金や生活費の管理は奥様に任せっきりというケースが多いようです。ただ「アルバイト料」についてはご自身で管理されている方も多いようですが。

ここで問題は毎月の収支バランスと、その後の資産運用についてです。ご自身で資金管理をされていないため、ご家庭の収支を全く把握していない方が多い上に、その後の運用についても、「付き合いのある金融機関に勧められたまま。どういう運用をしているのかよく分からない。」という医師の方がほとんどです。中には「すべて妻に任せっぱなしで、何がどうなっているのか全く分かりません。」という方もいらっしゃいました。

忙しい医師の皆さんですから、お金を完全に管理していくのは非常に困難だと思います。しかし奥様に任せっぱなしにするのではなく、少しでも関心を持って、お二人で“やりくり”する習慣を持ち、収支バランスには気を付けて欲しいものです。また資産運用についても金融機関任せにせず、自分の考えで進めて行くべきでしょう。最終的にはすべてが『自己責任』ですから。

 

子供二人の場合に必要な生活費はいくら?

子供の支出に掛かる最も大きな項目は、なんと言っても「教育費」です。

実際、医師の中には「教育費だけには糸目をつけない」という方もいらっしゃいます。

文部科学省が平成26年に公表したデータでは、幼稚園から高校まですべて公立の場合は約520万円が必要で、これがすべて私立の場合は約1,770万円が必要とされています。その後、国公立大学(文系)に進学したとしても約300~400万円の資金が必要と言われ、更に大学(医科系6年)では、国公立なら6年で約350万円なのに対し、私立では6年で約3,700万円が必要とされています。(これが「子供1人で教育費1,000万円!」、「子供二人なら・・・!」と言われる所以です。)子供二人以上のご家庭は一度将来設計や教育費を考えて資金計画を立ててみてください。

これだけではなく、幼稚園から高校までの間には、70万円~125万円程度、学校の学費とは別に塾などの教育費が必要と言われ、また医師の御子息のように受験の為に進学塾や予備校に通えば、これらに加えて年間50~100万円程度が更に必要となるともいわれています。ご家族の生活費を考える上では、この教育費の金額をまずは念頭に置いておくべきでしょう。

 

家賃や住宅ローンの金額に見る医師の生活レベル

住宅購入時、銀行で融資を受ける際、医師は一般の人に比べて収入が高い為、比較的融資を受けやすく、かつその融資可能額も高額になり易い傾向にあります。その為、5000~7000万円台、またはそれ以上という高価格帯の住居を購入される方が多くいらっしゃいます。住宅ローン返済額が比較的高額になるのも、このような事情が背景にあるからです。また賃貸物件にお住まいでも、勤務先が近く、高額家賃の物件にお住いのケースが大勢です。やはりお住いの住宅から見ても医師の生活レベルや生活費(家賃負担やローン負担)は高いと言えるでしょう。是非これら実態を踏まえて、様々な資金計画を医師の方々には立てていただきたいものです。

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大西宏明

・プロフィール

株式会社VIDA MIA代表取締役
生命保険・損害保険のコンサルティング、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として長期資産運用の提案、相続・事業承継対策として遺言の作成および民事信託(遺言代用信託)スキームの提案、と保険やオペレーティング・リース、投資信託など多岐に渡った金融商品を取扱い、専門家の税理士や弁護士とも提携してワンストップ型の独立系総合金融サービスを展開しています。

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・経歴

1972年生
滋賀県守山市出身

1991年
洛星高校 卒業

1996年
神戸大学 教育学部 卒業

1996年
大同生命保険相互会社 入社。企業年金部に配属後、大阪・京都で営業課長を歴任。

2015年
株式会社FPG 入社。大阪・広島で副支店長としてオペレーティング・リース(JOL)の販売に従事。

2016年
株式会社VIDA MIA 代表取締役就任