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医師の貯金事情と老後資金形成のための資産運用

医師の年収と貯金額の平均

医師の年収や貯金に関しては、ネット上でも様々なアンケートが実施されています。ただ大規模な調査は実施されておらず、調査毎にかなりのバラツキがあるのが実態です。

その為、各種データから推察する他ありませんが、平均年収は1300~1600万円といったところになると思われます。アンケートに回答した医師の年齢や所属科、または勤務医か開業医かなどによってもまちまちなので一概には言えませんが、概ねこの水準の回答が多いようです。同様に貯金に関しても様々なデータがあります。これも同じように1500万円~2000万円前後と回答する人が多いようです。

また勤務医の場合、年収総額と主たる勤務先からの給与の差額、つまりアルバイトによる年間収入は平均約180万円で、年収総額の12%(年収総額約1500万円)に相当するというデータもあります。これが35歳以下の若手医師に絞ると、年収総額は約940万円で、内アルバイトの占める金額が約160万円、割合にして約17%程度となっているようです。いずれにせよアルバイトへの依存度がかなり高い状況が伺えます。

 

医師はお金が貯まらない?

『収入も多いが、支出も多い…その結果貯金が増えない…』それが医師の財布事情のようです。

中でも支出に占める割合が高くなる傾向にあるのは、「教育費」と「住宅ローン」「車ローン」でしょう。

以前の記事にも書きましたが、医師の場合、その御子息も医学部に進学される方が多いため、教育に掛かる費用総額、そして支出に占める割合が一般家庭よりも特に大きくなる傾向にあります。そして住宅と車のローンです。これらについても一般家庭と比べ比較的高額な支出になる傾向があるため、支出に占めるローン返済の割合も高くなっているようです。次いで食費や遊興費などの項目も比較的大きくなりがちです。

皆さん思い当たるところはありませんか?

このように、収入も多いが支出も多く「思ったほど貯金ができない」と感じておられる医師も実は大勢おられるようです。そして中には「月々の生活費が余れば貯金に回す…」こんな考えの方もいらっしゃいました。これではなかなかお金は貯まりませんね。

今「高所得貧乏」と言う言葉があります。このような事態に陥っていないかどうか注意しておくべきでしょう。

 

医師の貯金と資産運用

医師の場合、資産の大半を「預貯金」で保有される方が多数を占めています。次いで安定運用の「生命保険・年金保険」等を活用されているケースが多いようです。全資産のうち前述のような「安全資産」が占める割合が相対的に高いことから、医師にはどちらかと云うとリスクを取らずに安定的な運用を好まれる傾向があるようにお見受けします。

ただし、一部には驚くほど積極的にリスク性商品(株や投資信託など)を活用して資産運用される方もいらっしゃいます。余談ですが、私達の経験から言って、これらの方々は金融商品にかなりの知識をお持ちです。元々医師には真面目で勉強熱心な方が多いので、一度金融商品に興味を持たれると、人一倍研究されるのかも知れませんね。

しかし、私達は医師の業務形態上、株式短期売買やFX等での運用はあまりお勧めしていません。こういった金融商品は常にマーケットを見続け、売買に備えないといけないからです。果たしてそのような運用が医師にマッチしているでしょうか。リスクの許容度はさておき、医師の勤務実態からすると非常に無理のある運用手法だと思います。

一方でそれとは正反対に、「預貯金だけでしか運用していない」また「日本円でしか運用していない」という手法も、将来リスクに繋がりかねないと私達は考えています。

現下の日本で、もはや「預貯金」の金利だけでは資産を増やすことは極めて難しい状況です。ご存知のとおり、日本は長らく「超低金利」の金融政策から抜け出せず、世界でも稀に見る『預貯金に利息が付かない』状況が続いています。こんな状況下では「預貯金」による運用だけでは保有資産が増えるわけがありません。

一方で、少子化問題に有効な解決策が見出せず、人口減少が避けられないなか、産業のイノベーションでも他国に遅れを取り、さらにそんな中で国と地方の負債は膨れ上がるばかり・・・そんな現況を鑑み、私達は「日本円」の価値が将来に亘って今のポジションを維持し続けると考えるのは非常に危険だと考えています。将来、様々な情勢から、仮に大幅に円安に動いてしまった場合、「日本円」で所有する資産は対外的(国際的)に実質的な目減りをしてにしまうことになるからです。「日本にそんな事態は起こり得ない」とは、とても言える状況ではないでしょう。

これからは「資産を運用する」という発想だけでなく、「資産を防御する」という発想から“預貯金以外の運用”や“外貨資産への投資”などを検討していかれるべきだと考えます。

 

 老後資金形成のためにおすすめの投資方法

前述のような背景から、老後資金の形成を考えた場合、預貯金以外で、私達がお勧めしている投資方法は、「外貨建終身保険」や「外貨建年金保険」などを活用した外貨(特に米国ドル)での資産運用です。

外貨建の「生命保険」を活用するメリットは、大きく2つ挙げられます。

1つは外貨を持つことによって「資産分散効果」が生まれることです。外貨を保有することに対して“為替がよく分からない” “為替は変動するためリスクがある”と抵抗感を持たれる方も多数いらっしゃいますが、今後激変していく世界情勢の中では、将来「日本円資産しか保有していないこと」の方が逆に大きなリスクになる、と考えられるからです。

2つ目のメリットは、外貨建「生命保険」の運用利回りの高さです。海外の金利は日本に比べて相対的に高く推移しており、これが保険の運用利回りにもそのまま影響してきております。ご存知の通り、日本の金利は「マイナス金利」という言葉に象徴されるように極めて低い状態が続いています。これは定期預金の金利などからも見て取れますが、保険の運用利回りについても同じことが言えるという訳です。

海外の金利に目を移すと、預金金利が3%…5%…という国も珍しくなく、同様に外貨建「生命保険」の運用利回りも当然に高く設定されています。中には、年3%を最低保証するような「外貨建終身保険」も流通しています。このように外貨建だと日本円建の保険とは比較にならない高い運用利回りが実現できるのです。またこのタイプの保険は、将来、積立金を(外貨でも円でも)年金で受取ることもできる為、老後資金形成に適した積立型の金融商品だと言えます。

【当社では、足元の金利や為替の動向に加えて「金利変動リスク」や「為替変更リスク」その他「カントリーリスク」などの国際情勢等も考慮し、現時点では米国ドル建の保険をお勧めすることが殆どです。通貨の流通量や安全性なども考慮すると、老後資金形成のような長期運用に適しているのは、やはり長期的に安定が見込まれる米国ドルに依るものだと判断し、米国ドルの保有・運用を優先してドル建の終身保険をご案内しております。】

また、老後資金を考えた場合、国の制度を有効活用するのも1つの手だと思います。私達が老後資産形成のベースとしてお勧めしているのは、預貯金ではなく民間生命保険会社の「個人年金保険」です。預貯金には税制上、特に優遇が受けられるわけではありませんが、個人年金保険の保険料は、一定の要件を満たせば「一般の生命保険料控除」とは別枠の「個人年金保険料控除」の対象となり、これによって毎年積立てる個人年金保険料の1/2、所得税で年間最大4万円、住民税で最大2万8,000円の控除が受けられるのです。ただし、個人年金保険料控除の額はこれが上限となりますので、年間8万円以上の個人年金保険料を積立ててもそれ以上の節税効果は得られません。そのため、私達は各生命保険会社の規程に沿って(最低保険料を若干上回る程度の)月1万円、または年間12万円程度の保険料設定でのご契約をお勧めしています。

 

さらに、大きな「節税メリット」を享受しながら老後資金の形成を図るには、iDeCo(個人型確定拠出年金)の活用が欠かせないでしょう。税務面で様々な優遇措置が設けられており、これを活用しない手はありません。

iDeCoの節税効果が大きいにはのは、『積立・運用・受取』の3段階でそれぞれ節税効果が得られるからです。これは預貯金などの他の金融商品とは比較になりません。

積立時、掛金はその全額が所得控除を受けることができます。また、運用時には、通常株や投資信託などの金融商品から得た利益に対して現在20.315%で課税されるのに対し、iDeCoでの運用で得た利益は非課税になります。加えて、受取時に年金として受給すれば公的年金控除の対象に、一時金として受給すれば退職所得控除の対象となります。正に一石三鳥の税制優遇メリットが享受できる訳です。

ただし、そんなiDeCoにも注意すべき点があります。

まず第一に、運用する商品を自己責任で指定していかねばならず、つまり運用リスクをご自身で負わなければならない点です。リスクもリターンも低い預貯金のような「元本保証」もので運用するのか、はたまたリスクはあるもののリターンも期待できる海外株式や海外リートなどを組み込んだ「投資信託」のような「ハイリスク・ハイリターン」もので運用するのか・・・商品のラインナップは各取扱金融機関によって様々ですが、それらのラインナップからご自身で商品を選択していく必要があります。なお、この運用益は課税されることがありませんので、運用が上手くいけば、老後の生活資金に大幅な余裕を持たせることができるかも知れません。

次に、原則60歳まで積立金の引き出しが認められない点。さらに、金融機関にてiDeCo口座を開設するための手数料負担が別途必要になる点が挙げられます。

しかし、前述の注意点を踏まえても税制上のメリットの方が相当大きいため、iDeCoは医師の「老後資金準備」という視点では極めて有効な制度であり、最大限有効に活用されることをお勧めしています。

 

預貯金だけに限らず、このような投資手法を有効に活用した上で、幾重もの運用を積み重ねて行くのが最善策と言えるでしょう。

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大西宏明
大西宏明

・プロフィール

株式会社VIDA MIA代表取締役
生命保険・損害保険のコンサルティング、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として長期資産運用の提案、相続・事業承継対策として遺言の作成および民事信託(遺言代用信託)スキームの提案、と保険やオペレーティング・リース、投資信託など多岐に渡った金融商品を取扱い、専門家の税理士や弁護士とも提携してワンストップ型の独立系総合金融サービスを展開しています。

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・経歴

1972年生
滋賀県守山市出身

1991年
洛星高校 卒業

1996年
神戸大学 教育学部 卒業

1996年
大同生命保険相互会社 入社。企業年金部に配属後、大阪・京都で営業課長を歴任。

2015年
株式会社FPG 入社。大阪・広島で副支店長としてオペレーティング・リース(JOL)の販売に従事。

2016年
株式会社VIDA MIA 代表取締役就任