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医師の家計管理。医師の生活費は?貯金は?小遣いは?

医師といえどもお金の心配はつきものです。医師の家庭では家計管理はどうしているのでしょうか?「医者は金持ち」というのは、部分的にはyesでしょう。しかし世間の勝手なイメージ先行で必ずしも実態に即していない面もあるとも言えるかもしれません。ある40代医師家庭のケースを見ていきましょう。

夫が医師、妻は専業主婦の家庭

一例として私の友人の医師家族を取り上げます。夫は大学医局に身を置く勤務医(40代後半)、妻は専業主婦(医師ではない)、子供が二人(上は国立大学医学部3年生、下は医学部を目指し浪人中)。

夫は医局人事で関連病院(地域基幹病院)に勤務する外科メジャー診療科の医師です。年収について詳しく聞いた事は無いですが、恐らく常勤先病院からの給与は年間1,600万円近辺かと思います。彼からは個人的に外勤バイト探しの依頼を受ける事があります。

そんな彼から見聞きする範囲で医者家庭の家計簿をのぞき見してみましょう(彼にはこの記事に匿名で登場してもらうという許可を得ています)。

上に記載の通り、彼には息子が二人います。父親の背中を見て育った息子たちは二人とも父親と同じ医師を志しています。彼によると息子たちに医師になるよう強制した事は一度も無いとの事ですが、日々医師としての仕事に忙しい父親の姿を見て育っても尚、2人の息子が揃って医師を志している事を、彼は内心とても嬉しく思っているようです。

長男は県内有数の私立中高一貫進学校から二浪を経て国立大学医学部に入学、現在医学部4年生。次男も全国でも屈指の有名私立中高一貫校から医学部を目指すも今春は残念ながら全て不合格、現在は予備校の医学部コースに通う浪人生です。奥さんは医学部時代に友人の紹介で知り合った一般女性で現在は専業主婦です。

医者の家庭の家計管理

勤務医である彼の目下の悩みはお金の心配です。世間一般から見れば高給取りの医者とはいえ、勤務医の年収はべらぼうに高額という訳ではありません。妻には子供達や自分の為に家庭を守って欲しいという考えが彼にはあり、奥さんは専業主婦です。

つまり彼の家庭の稼ぎは勤務医である彼の収入が全てという事になります。

彼は30代で高級住宅地に一戸建ての結構な豪邸を建てました。土地、建物合わせて恐らく1億円近い金額かと推察します(ちなみに彼は普通のサラリーマン家庭に育ち、国立大学医学部に進みました。結婚後は親からの金銭的援助は全く受けていません)。

住宅ローンは抱えているそうですが、車も2台所有しています(こちらはキャッシュで購入)。常勤先の病院へは電車通勤ですが、バイト先病院へは車(国産車)で移動する事が多いようです。もう一台は主に奥さんの日常の足&彼の趣味的な車(外車)です。通勤用と奥さんの買い物や日常の足として2台必要という事のようです。

国立大学医学部に通う長男と医学部を目指し浪人中の次男の予備校の学費も結構な金額との事。次男にもできれば国公立の医学部に進学して欲しいのが本音のようですが、私立大学の医学部に進学する事になった場合も家計に問題が生じないように準備しておきたいという相談がありました。

今は収支のバランスが辛うじて黒字とはいえ、かなりカツカツの生活で金銭的には結構苦しいと言います。今の年収では次男が私大医学部に進んだ場合は、家計がとても回らないというのです。

医者の貯金、小遣い

「生活費でカツカツなんだよ。」専業主婦の妻と2人の子供を持つ勤務医の彼の言葉です。「贅沢している訳ではないのに全然余裕なんてない。どちらかというと金銭的には苦しいよ・・・」。
あまりに実感がこもっていたので妙に印象に残っています。

「家計管理は基本的に妻に任せている。妻は家計簿を付けて貯金も毎月少しずつはしているようだけど、何か突発的な事が起こるととてもじゃないが今の家計状況だと持ちこたえられないと思う。」と彼は言います。

「過労で体壊したら終わりだしな。」とも。
がん保険の必要性を感じたのを機に生命保険の見直しをしたいとの事でしたので、我々のチームのIFA(Independent Financial Advisor)資格を持つFPを後日、彼には引き合わせました。ついでに家計診断も依頼したところ、むしろ無駄に毎月払っていた固定費(生活コスト)を省く事ができたとの事でした。

彼の日常はというと、毎月小遣い制で、これも彼には結構辛いようです。学会費用(参加費、旅費、宿泊費など)や医学書など仕事に関連する出費は小遣いとは別途支給という家庭内ルールになっているそうですが、飲み代などは小遣いの中でやりくりしているようです(小遣い額までは何となく気が引けて聞けませんでした・・・)。

後輩と飲みに行くと彼の性格からして殆ど奢っている(立場上も奢らざるを得ない)ようですし、バイト先の病院への移動も時間が間に合わない時は自腹でタクシー利用という事があるとの事です。

彼は決して派手なタイプではなく、どちらかというと堅実なタイプの人間です。それでも人並みより「ちょっとずつ」上質な生活を望んでいる為、今の日本でそれを実現する為には思いの外、コストが掛かるのもまた事実です。

医師の夫から見たメリット・デメリット。専業主婦の妻、共働きの妻。

「それでも今は家計状況が何とかなっており、家庭の事は妻がしっかりやってくれているので安心していられる。仕事に専念できるのはメリット。」というのも彼の言葉です。

夫の稼ぎ一本というのは今の時代ではレアケースになりつつありますが、「専業主婦の妻と役割分担ができるのは大きなメリット」というのは彼の本音であり事実でしょう。仕事が終わって家に帰ると心身ともにリラックスできる環境を彼は持っているのです。その分、お金の心配に晒されてせっせとバイトを入れざるを得ない訳ですが・・。

一方で、「夫婦ともに医師」、「夫が医師、妻は看護師」、「妻が医師、夫は会社員」といった家庭も多く見られます。いわゆる共働き夫婦ですね。いずれの場合も、夫はフルタイム勤務(常勤医師+アルバイト)、妻は常勤の場合もあれば、非常勤やパートタイム、産休、育休なども活用し、仕事をややセーブしながらも医師の仕事を継続、家事の負担割合は奥さんにかなり比重が掛かっているという家庭が多いように見受けます。

医師の場合は、非常勤や時短勤務でも常勤医師に見劣りしない程の年収を稼ぐ事が可能なのが医師の大きな強みかと思います。夫婦とも医師で共働きの場合、世帯年収は軽く2,000万円は超え、家庭によっては3,000万円以上というところも珍しくはないでしょう。その一方で共働き夫婦の場合はどうしても生活費が膨らんでしまう事が多いようです。

家事の省力化や家事代行の活用など(時間をお金で買う感覚で)出費が増えてしまう傾向があります。幼い子供がいれば医師を続ける為にベビーシッターを雇う必要が生じるかもしれません。

共働き夫婦の場合は、家庭での役割分担が明確でなく家事負担割合で揉める事があります。夫婦ともにストレスが溜まってしまいがちです。職場でも家でも心休まる事が無いというジレンマに陥ってしまう訳です。これは共働きのデメリットの大きなもののひとつでしょう。

まとめ:医師は高収入とはいえ、人並みより「ちょっと上」の生活を望む傾向が強く生活費が膨らむ事も。家計に余裕がある家庭ばかりではない。

私の友人である医師の家庭を例に見てきましたが、専業主婦の妻を持つ医師の場合だけでなく、共働き家庭やシングル(独身)でも家計管理が、ややどんぶり勘定になっている場合、金銭面での将来不安を抱える医師は少なくありません。年収アップや家計診断をご希望の医師はお気軽にご相談ください。

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三木正孝

・プロフィール

医師の転職支援サービス「医師転職コンシェルジュ」を運営し、自らもエージェントとして医師の転職をサポートしています。これまでに14年間、多くの医師の転職を成功に導きました。

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・経歴

1969年大阪生まれ
大阪明星学園・明星高等学校卒業(高校3年時・剣道3段、玉竜旗全国高等学校剣道大会出場)
関西大学 法学部法律学科卒業(専攻・民法総則=高森ゼミ第14期幹事、大学4年時・剣道4段)

1992年
総合商社 ニチメン(現・双日株式会社)入社。商社マンとして11年間(1992-2003年)勤務

2003年
NZ・Hawaii短期留学・ビジネス視察

2004年
株式会社レイ・クルーズ設立、代表取締役に就任。
大前研一塾長ABS(アタッカーズビジネススクール)第19期
~現在に至る。