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医師の生活で必要な老後資金はどのくらい?

医師の老後の生活に必要な老後資金はいくら?貯蓄はどの程度あれば良い?

医師の老後資金は一体いくらあれば足りるのか?まず、医師の収入は多いか?と問われると、誰しもが「多い」と答えるでしょう。しかし医師は収入が多いと同時に「生活費」への支出も多くなる傾向にあります。また「70歳以降も働ける」と考えている医師も珍しくなく、そのため節約をする発想も一般のサラリーマンに比べて希薄になりがちです。まずこういった点を自覚しておくべきでしょう。また、もし早々にリタイアされるつもりであったり、またはリタイアした後も現役時代と同レベルの生活水準(支出)を続けて行くことをお考えであれば、それ相応の蓄えが必要となります。

では実際にどれほどの老後資金があれば十分と言えるのでしょうか?月々の生活費は各家庭でかなり差があり、またリタイアする年齢も大きく異なるために、なかなか一概には言えませんが、私達は豊かな老後を送るための目安として、将来の社会保障制度の変更や日本人の平均寿命の延長等々を考慮し、医師の場合には「5000万円」をその必要額(退職金等含む)として推奨しています。この貯蓄があれば、金利を0%と仮定しても、年金以外に毎年250万円を支出したとしても20年は耐えられるからです。

 

夫婦の場合や子供の教育費を差し引いた場合に残る老後資金は?

現役医師にお話しを伺うと、主な支出の上位にくるのは「生活費」「子供の教育費」「住宅ローンの返済資金」です。(開業医の場合にはこれに「開業資金の返済資金」も該当してきます)生活費や住宅ローン等は個々人の状況によりかなりの開きがありますが、多くの現役医師が共通して重きを置かれる〝教育資金の現状〟については、先ずもって知っておかれるべきでしょう。

文部科学省が平成26年に公表したデータによると、幼稚園から高校まですべて公立の場合は約520万円なのに対し、これがすべて私立の場合は約1,770万円と3倍以上になっています。また大学(医科系6年)では、国公立なら6年で約350万円なのに対し、私立では6年で約3,700万円となってきます。その他にも下宿をすればその費用、また寄付金、予備校代…などなど、他の諸々の費用もかさんできます。これが教育費に掛かる実態です。

次に「老後の生活費」についての現状です。

一般的な家庭では老後の一月の最低必要生活費は夫婦2人で約25万円(年間合計で約300万円)、ゆとりある生活を考慮すると約35万円(年間合計で約420万円)と言われています。この金額に、ご自身がリタイアを想定している年齢時点での、奥様が90歳になるまでの残存年数(女性の平均寿命を90歳と想定)を掛け算したものが老後の必要生活費(総計)の目安となってきます。例えば、70歳でリタイアした時に奥様が65歳であったと仮定すると、25万円×12カ月×(90歳-65歳)=7,500万円 という具合です。

一方で、毎月の収入から必要な出費を差し引いたものの中から、老後資金の原資を捻出していくことになりますが、この毎月の「老後資金の原資」が想定しているリタイア時にどれほど積み上がることになるのか、また上記で計算した、想定しているリタイア時の「老後の必要生活費(総計)」との間にどれほどの乖離が出るのか、を概算で良いので計算しておくと良いでしょう。最初からゴール・イメージを持っておくことはとても大切です。

こういった現状を十分に踏まえ、老後資金の準備を着実に進めていくことお勧めします。

 

医師の退職金や年金で老後資金をどのくらい賄える?

老後資金への備えとしてまず思い浮かぶのが「退職金」かも知れません。しかし勤務医の場合は、転勤を繰り返す勤務形態となりがちですので、退職金には過度な期待はしないほうが良いでしょう。また開業医の場合にも、そもそも「定年がない」とも言われますが、リタイアを考えるなら自分自身で退職金を作っていかねばなりません。(開業医の場合には法人を設立し、節税しながら退職金を作るという対策をお勧めしています)

一方、年金についても両者では異なります。勿論、医師も一般の勤労者と同様に公的年金制度に加入します。勤務医の場合は、国民全員が加入する国民年金と、各々が勤務先で加入する厚生年金(以前は共済年金か厚生年金)に加入します。開業医の場合には国民年金にのみ加入することになります。

勤務医・開業医を問わず受給できる国民年金ですが、平成29年度の国民年金(老齢基礎年金)は月額約65,000円、年間合計約78万円です。また勤務医の場合にはこれに厚生年金が加算されますが、厚生年金には上限があるため、現状ではどんなに収入の多い人でも、月額約250,000円、年間合計約300万円が最高額になります。つまり両者合計でも年間最大約378万円。(実際にはこの金額以下の方々がほとんどで、昨年の平均受給額は約265万円です。)これが年金の実情です。果たして、この金額で老後の生活資金は十分と言えるでしょうか?

以上のことから老後資金準備の必要性がご理解いただけたのではないでしょうか。

 

老後資金のために定年後も医師として働くべきか否か

開業医の場合にはそもそも「定年」は無いかもしれません。しかし勤務医の場合にはそうはいきません。しかし多くの病院では十分な退職金制度が整っていないのが現状ですので、再三述べてきた通り、退職金には期待しないほうが賢明でしょう。

ただリタイア後も各種アルバイトや地方都市でのニーズは今後もまだまだ存在していくものと思われますので、老後資金の全額をリタイアまでに蓄えなければならない、ということにはならないかもしれません。実際、現在は日本政府も企業の退職年齢引き上げを推奨していますし、実際65や70歳を過ぎても現役で活躍されておられるドクターは全国に多数いらっしゃいます。老後資金を補う収入源という意味もさることながら、医師としての次のステージとしてリタイア後の勤務を検討していくのも良いかもしれません。

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大西宏明
大西宏明

・プロフィール

株式会社VIDA MIA代表取締役
生命保険・損害保険のコンサルティング、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として長期資産運用の提案、相続・事業承継対策として遺言の作成および民事信託(遺言代用信託)スキームの提案、と保険やオペレーティング・リース、投資信託など多岐に渡った金融商品を取扱い、専門家の税理士や弁護士とも提携してワンストップ型の独立系総合金融サービスを展開しています。

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・経歴

1972年生
滋賀県守山市出身

1991年
洛星高校 卒業

1996年
神戸大学 教育学部 卒業

1996年
大同生命保険相互会社 入社。企業年金部に配属後、大阪・京都で営業課長を歴任。

2015年
株式会社FPG 入社。大阪・広島で副支店長としてオペレーティング・リース(JOL)の販売に従事。

2016年
株式会社VIDA MIA 代表取締役就任