- 老後
- 2017-9-23
医師も老後が不安。老後に備えた転職と、老後に働くための転職
目次
今の年収では老後の生活が不安。医師の転職で収入アップするには
高収入と言われる医師ですが、子供の教育費や住宅ローン、或いは多額の奨学金返済に追われたり、生活費にかけるお金が高額なため、支出も多額になる方が多くいます。中には「このままの年収では定年後に公的年金のみの収入だと、生活水準を落とすか、貯蓄を崩さないと生活できないのでは…。」と今の年収と貯蓄額に不安を感じる方もいるのが現実です。
また年金額には、常勤先以外の当直などアルバイトの収入は年金保険料の計算に反映されません。医師は今のアルバイトを含めた合計の年収の割に将来もらえる年金額は思ったよりも少ないと考えておいた方が良さそうです。
そうは言っても、現状の生活水準を落とさずに、老後に備えた貯蓄まで行うのは少々困難という方が多いのもまた事実でしょう。「将来の事を考えると、年収をアップしたい・・・。」と今の年収に不安がある医師は、ひとつの選択肢として転職を考えるでしょう。医師が転職で年収をアップさせるには、職務内容を変えたり(強みとなる専門性を活かせる職務内容に)、勤務地を(年収相場の高い医師不足エリアへと)変える事以外にも、勤務先の病院を変えるだけで年収が大きくアップする場合があります。経営方針や経営状態は病院によって様々です。自分の考え方や、やりたい医療と照らし合わせながら、情報収集をし、場合によっては医師の転職サイトや転職エージェントなどを上手に活用して、転職候補先の病院に対して年収や働き方の交渉をしてもらうのも手でしょう。
老後の生活水準を落とさないために、定年後も退職せず働くという選択肢
医師は定年後も長く働く方が多い職業です。
その理由はまず、退職金にあまり多くを期待できない方が多い事が挙げられます。老後に貰える年金がそれほど期待できるものではないため、定年時に貰える退職金に期待したくなります。しかし、医師の多くは勤務先病院が数年ごとに変わる(≒退職金計算の上では退職金規定が無い職場もあり不利に作用するケースが多い)のが一般的で、定年時の退職金は思ったほど貰えるものではない場合があるのです。
次に、現時点では医師は不足していると言われる状況にあるので、この医師不足環境が続く間は、医師という仕事は定年後も再就職がしやすい職業である事も、その理由の1つです。民間病院では地域によっては医師不足のために定年規定がある場合でも、定年を延長し嘱託や非常勤として退職せずに働くという医師が少なくありません。また、今の生活水準を落とさずに老後を送りたい医師は、定年後の医師のセカンドキャリアとして、産業医として週に3回ほど負担にならない程度に働いたり、健康診断医としてスポット的に自分のペースで働いたりする方もいます。
定年後、年齢に見合った負荷の少ない仕事をするため転職を考える
今や70歳代はもちろんの事、80歳代のベテラン医師も珍しくない時代です。定年後の再就職は年齢に見合った身体に負担のかからないものにしていきたいものです。
外科系で定年後も医師として仕事を続けたい方は、40歳代のうちから自分の希望に合った転職先やセカンドキャリアの方向性を検討しておく必要があります。手術をしたい場合、50歳前後では体力的な問題(視力の低下など)があり、転職時に求人元医療機関から年齢や役職ポストの問題から敬遠されるケースがあります。50歳前後の年齢となると、キャリアに応じたポストの空きがないという問題があるのです。外科系の医師で定年後は内科にシフトして働きたいと考えている医師も、早めに内科医としてのキャリアを積んでおくと選択肢が増えることでしょう。
内科系の医師の定年後の再就職には、病院(主に療養型など)、介護老人保健施設(老健)・産業医・健康診断医などが挙げられます。内科医であれば条件を緩めて視野を広げれば、選択肢の幅は広いと言えるでしょう。いずれも非常勤で働きたいのか、スポット的に働きたいのか検討し、自分の身体と年齢に合わせた選択が必要です。しかし、60歳代後半ともなると段々と職場の選択肢が狭くなる(例えば老健などに選択肢が絞られてきてしまう)傾向があります。医師本人も体力の衰えを感じる年齢になると、求人元の医療機関が医師を見る目も働き方の幅という意味で限定的に見られてしまうのが50歳半ば~60歳代半ばという年齢というのが一般的でしょう。ですので、内科医も50歳代のうちからできるだけ長く働ける病院や医療機関を探して、就職して長く勤務しておいた方が良いでしょう。
老後も出来る限り仕事を続けたい。仕事量を考えた医師の転職
医師が定年後に再就職、または定年延長(嘱託契約などへの移行)をして働く場合、体力の事を考えると仕事量は調整していきたいものです。例えば産業医として一般企業や顧問先企業の勤務形態に合わせて働いても、勤務医時代と比較すると拘束時間は圧倒的に短く、仕事量も天と地ほどの差があるでしょう(とはいえ、事務仕事などは相応にありますが)。
その他には、健康診断医としてスポット的に働いたり、非常勤医としてアルバイトを掛け持ちしてボーナスや固定給なしで働く事も選択肢の1つです。非常勤のアルバイトと言っても、日勤時間帯の勤務で医師の場合は時給1万円~などと高額なので、自分の体力面を考慮しながら働く事が可能です。医師不足により医師の求人サイトなどで常勤も非常勤も医師の募集は(あまり条件をつけなければ)多数ありますので、年俸や時給などの給与面だけでなく老後を見据えて、福利厚生面なども一度チェックしておくと、自分の定年後の仕事量やライフスタイルのイメージを掴みやすいかと思います。
・プロフィール
医師の転職支援サービス「医師転職コンシェルジュ」を運営し、自らもエージェントとして医師の転職をサポートしています。これまでに14年間、多くの医師の転職を成功に導きました。
経歴を見る
・経歴
1969年大阪生まれ
大阪明星学園・明星高等学校卒業(高校3年時・剣道3段、玉竜旗全国高等学校剣道大会出場)
関西大学 法学部法律学科卒業(専攻・民法総則=高森ゼミ第14期幹事、大学4年時・剣道4段)
1992年
総合商社 ニチメン(現・双日株式会社)入社。商社マンとして11年間(1992-2003年)勤務
2003年
NZ・Hawaii短期留学・ビジネス視察
2004年
株式会社レイ・クルーズ設立、代表取締役に就任。
大前研一塾長ABS(アタッカーズビジネススクール)第19期
~現在に至る。
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