- 転職
- 2018-3-9
【将来を考える医師の転職】循環器内科の医師の生活
循環器内科医の業務内容は?
循環器内科は主に心臓病や血管(下肢動脈の狭窄・閉塞=ABIまで含め)の病気を診る内科系の専門診療科です。内科系診療科の中にあって心臓カテーテルを駆使する外科的な血管内治療で(ステントやバルーンを使って)劇的に患者の血流を正常化する華やかな印象が特徴的な診療科であり、救急医療では24時間、心臓カテーテル検査(CAG)、冠動脈インターベンション(PCI)が可能な体制を敷いています。充実した医師数で当直やオンコール体制が無理なく分担されている医療機関であればよいですが、常勤循環器内科医が一人体制でカテに入る医師が一人だけという病院ではどうしても労働負荷と共に精神的な負荷も過重となる傾向があります。
華やかな印象のある循環器内科医ですが、急性心筋梗塞などの重篤な患者さんが搬送されてくると迅速な対応が求められます。そんな立派な循環器内科医を目指して、心臓カテーテルのスキルやERで腕を磨く事が若手循環器内科医のひとつの目標となっているのが昨今のトレンドのようです。心臓病は命に関わる病気の為、予定した治療だけでなく緊急カテーテル治療が必要なケースがあり、その業務の性質上、緊張と精神的なプレッシャーに晒される傾向があるのも循環器内科医の一面と言えるでしょう。
また、当然の事ながら救急疾患だけが循環器内科の仕事ではありません。慢性的な循環器疾患(狭心症、弁膜症、心筋症、不整脈、高血圧など)を抱える患者さんも数多くいます。
不整脈診療を得意とする循環器内科医はペースメーカー植込みや不整脈アブレーション治療(心筋焼灼術)などを行い慢性的な循環器疾患に対応する治療を行っています。
日本循環器学会によると、循環器専門医は、「心臓・血管系に関する豊富な知識と技能を有し、心筋梗塞、狭心症、高血圧、動脈硬化、弁膜症、心不全、不整脈などの循環器疾患の適切な診断・治療及び予防ができる能力を有する」医師と定義されています。
循環器内科で将来的に年収を上げるためには?
「心臓カテーテル可能な医師を募集」という医師求人は比較的高額な年俸を医療機関が提示する傾向にあります。2次救急の病院などで心カテ室(シネアンギオ室)があるものの常勤で積極的に心カテをやる循環器内科医が不在という施設が少なくない為で、そういった医療機関では心臓カテーテルの設備や放射線技師、MEなどスタッフを含め宝の持ち腐れとなっており、心臓カテーテルの適応患者さんがいても他院へ紹介するしかなく、早急に心カテ可能な常勤の循環器内科医を招聘して自分の病院で心臓カテーテル検査と治療まで完結させたいという思いがあるのです。それゆえ多少高額の年俸を用意してでも病院としては常勤の心カテ可能な医師を採用する事は充分に採算が取れる経営判断という訳です。
こういった背景からも、循環器内科医として将来的に確固たるポジションを確保して、年収も高いレベルを維持していく為には、心臓カテーテル(PCI、CAG)のスキルと経験を積んでおくのが近道であり王道でしょう。循環器専門医の資格も履歴書上に有った方が良いでしょう(循環器専門医が無いと何故?と聞かれる事があるかもしれません)。心血管インターベンション認定医・専門医・指導医などもあれば医療機関との交渉時に大変有利に作用するでしょう。
心カテのスキルと経験を武器に週4日くらいの勤務から高年収での交渉が可能です。
循環器内科の転職動向は?
循環器内科の医師転職市場はまだまだ医師不足で循環器内科医の側から見ると売り手市場といえる状況が続いています。急性期病院では心カテ可能な医師に対する需要が強く、心カテ設備のない一般病院やクリニックでは循環器一般から内科全般(風邪やインフルエンザ、慢性疾患)まで幅広く患者対応してほしいという需要が強いと言えます。
より高い年収を希望する医師は、上述した通り、心カテに代表されるような循環器内科医としての付加価値の向上に努め、医師として(また、それ以前にひとりの人間として)レベルアップを目指す事で常に循環器内科の転職市場において高い市場価値を維持する事が出来るでしょう。
循環器内科の今後
不整脈に対する非薬物療法である「カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)」がこれまでの抗不整脈療法と大きく異なる点は根治療法である点と言われています。
このカテーテルアブレーションが可能な循環器内科医を求める医師求人も医師転職コンシェルジュには寄せられています。
心臓カテーテルもカテーテルアブレーションも、病院が売上至上主義でいたずらに症例数を競い合うのは論外で、やはり体制の整ったきちっとした施設で、その危険性を十分考慮しながら、修練された循環器内科医が適応患者さんのみに行うのが本来の姿でしょう。その辺りの病院の考え方も吟味して循環器内科医の皆さんには転職先の医療機関を選ぶ目を持ってほしいと思います。
・プロフィール
医師の転職支援サービス「医師転職コンシェルジュ」を運営し、自らもエージェントとして医師の転職をサポートしています。これまでに14年間、多くの医師の転職を成功に導きました。
経歴を見る
・経歴
1969年大阪生まれ
大阪明星学園・明星高等学校卒業(高校3年時・剣道3段、玉竜旗全国高等学校剣道大会出場)
関西大学 法学部法律学科卒業(専攻・民法総則=高森ゼミ第14期幹事、大学4年時・剣道4段)
1992年
総合商社 ニチメン(現・双日株式会社)入社。商社マンとして11年間(1992-2003年)勤務
2003年
NZ・Hawaii短期留学・ビジネス視察
2004年
株式会社レイ・クルーズ設立、代表取締役に就任。
大前研一塾長ABS(アタッカーズビジネススクール)第19期
~現在に至る。
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