1. /
  2. /
  3. 【将来を考える医師の転職】小児科の医師の生活
  • 将来

【将来を考える医師の転職】小児科の医師の生活

小児科医師の業務内容は基本的には外来、病棟管理が主になります。

もちろん、ほかの診療科目と同様に、当直や救急などの対応もあります。

 

これだけを聞くと診療対象が大人か子供かという違いだけだと思われるかもしれませんが、そうではありません。

小児科医には相手を子供にする事での小児科特有の業務があります。

 

例えば、小児科医は外来や病棟管理以外に多い業務として、乳児の健診、ワクチンや予防接種などがあります。

乳児から受けなければならないワクチンや予防接種などは多くあります。

 

さらに子供は大人と違って診療科目が多く分かれていないので一般的な小児科医には広い知識が必要になります。

 

また、子供は大人よりも時間外などでも患者数が多いのも小児科医の仕事の特徴であるといえます。

 

子供を相手にする小児科医の大変さ

小児科医の特に大変なところは子供を相手にするのでカバーすべき対象疾患の領域が広いという事です。

小児の場合は大人にない、小児ぜんそく・はしか・おたふく風邪など子供特有の病気についてだけでなく広い範囲での知識と経験が必要になります。

 

また、日直などをしようものなら、時間外でもおかまいなしに患者が来ます。

他の診療科目に比べると時間外の患者の数は小児科が圧倒的に多いといえます。

 

また、相手が子供だという事から、大人を相手に診療するのとはまた別の苦労があるようです。

成長が早い子供、遅い子供。

薬が苦手な子供、注射が苦手な子供。

とても小さい子だと泣きわめいたり、ぐずってしまう子供もいます。

 

いろんな子供を相手に機嫌を取りながら、臨機応変に診察する事も必要ですし、そういう子供と上手くコミュニケーションを取る能力・スキルも重要です。

 

小児科医に向いている医師は?

 

小児科医に向いている医師は、まず基本的に子供好きな人が当てはまるでしょう。

もちろん、患者はすべて子供です。

 

その上、小児科を訪れる患者なので、病気をしている子供が中心になります。

ですので、普段の健康な子供よりも扱いが難しく、その上、(子供を心配する)親御さんへの対応も求められます。

 

また、子供なので、自分の症状や体調を上手く説明する事ができないケースも多いでしょう。

大人よりも診察がしにくかったり、注射や点滴、それ以外に何をされるにも嫌がったり拒んだりしてしまう子供を上手に診察や治療へと誘導してあげる能力が小児科医には求められるでしょう。

 

忍耐強く子供と上手にコミュニケーションを取る事は必要最低限、小児科医に求められるスキルであるといえるでしょう。

 

子供が苦手で子供にあまり興味が無い医師が小児科医を志す事は無いと思いますが、小児科という診療科には、やはり子供が大好きな医師には目を向けて欲しいと思います。仕事は大変だけれども、やりがいと喜びに満ち溢れた小児科という診療科で素晴らしい医師になる事を目指していただきたいものです。

 

多くの小児科医はもともと世話好き・人が好きという人も多い様です。

子供たちの笑顔を見た時にやりがいを感じる事ができる医師は小児科を適職として専門性を高めていくのは小児科医としての素晴らしい生き方だと思います。

 

小児科の待遇は仕事内容に見合わない?

小児科医の待遇は(忙しすぎて)仕事内容に見合わないよという声を耳にする事があります。

その背景には小児科医の激務や訴訟リスクなどがあると考えられます。

 

ただ単純に、対象患者が中学生より下の15歳未満と一括りにされますが、実際のところ、小学生と中学生では体の大きさも診療などの対応も全く変わってきます。

また小学生以下ともなると、1年ごとに大きく成長するので、注射も違うし、投与する薬の量も種類も変わってきます。

 

また、自分の症状を大人のようには上手く伝える事ができない年代ももちろん大変ですが、全く喋る事ができない年齢の小児患者を相手にする事もあります。

母親に子供の症状を聞いたり、子供の表情の変化、しぐさなどから判断するという方法を取らざるをえません。多くの経験と勘(?)を総動員して診療に当たらなければならない気苦労も多い事でしょう。

 

大人の場合は症状によって診療科が変わりますが、子供の場合は大人ほど診療科が分かれていない「小児科」という診療科が一本の医療機関が多いので、幅広い知識と経験が必要になってきます。

 

また、時間外の救急や当直でも大人よりも子供の方が体調や症状が不安定な事が多いので、対応しなければいけない件数・患者数も増えます。時間外での受診が多いのも小児科の特徴です。

 

また冬にインフルエンザなどが流行ると予防接種もそうですし、インフルエンザに罹った子供の数が激増します。

 

この様に子供を相手にするという事は大人を相手にする以上に、しなければならないこと、子供を対象とした診療科である小児科ならではの業務が多くなります。

 

ただ、待遇はほかの診療科と比べてよくなるかというと特別に変わる事はありません。

 

他の診療科と比べて小児科だけが激務で大変だという事ももちろんありませんが、他の診療科にはない仕事や診療の領域が増える事は間違いのない事実であるといえます。

The following two tabs change content below.
三木正孝

・プロフィール

医師の転職支援サービス「医師転職コンシェルジュ」を運営し、自らもエージェントとして医師の転職をサポートしています。これまでに14年間、多くの医師の転職を成功に導きました。

経歴を見る  

この専門家へのお問い合わせはこちら

・経歴

1969年大阪生まれ
大阪明星学園・明星高等学校卒業(高校3年時・剣道3段、玉竜旗全国高等学校剣道大会出場)
関西大学 法学部法律学科卒業(専攻・民法総則=高森ゼミ第14期幹事、大学4年時・剣道4段)

1992年
総合商社 ニチメン(現・双日株式会社)入社。商社マンとして11年間(1992-2003年)勤務

2003年
NZ・Hawaii短期留学・ビジネス視察

2004年
株式会社レイ・クルーズ設立、代表取締役に就任。
大前研一塾長ABS(アタッカーズビジネススクール)第19期
~現在に至る。