- 転職
- 2018-5-31
【65歳以上の医師求人】定年後も働きたい65歳以上の医師の方へ
「医師に定年はあってないようなもの」とはよく言われます。
現に65歳どころか70歳以上や80歳を超える大ベテラン医師からの転職相談が増えています。定年規定がある病院で勤務する医師には「一応」定年がありますが、開業医やフリーランスで働く医師にはそもそも定年という概念自体があまりありません。
ベテラン医師は豊富な経験や知見から診療の引出しを多く持っておられます。元気なベテラン医師を常勤医として、或いは非常勤医として多くの病院や医療施設では実際に必要としています。
いわゆる定年退職後、65歳以上の医師のライフスタイル、働き方はどのようなものになっているのでしょうか?
目次
勤務医の定年退職の実態とは?
(一般の)国家公務員の定年は、「国家公務員法第81条の2 第2項」に規定されており、原則60歳となっています。具体的には、60歳に到達した日以後における最初の3月31日が定年退職日になります。しかし、「国家公務員として働く医師」には別の定年年齢が定められています。
- 病院、療養所、診療所等に勤務する医師、歯科医師等の定年年齢は65歳
これが一つのベンチマークになっていると思われますが、国立大学医学部教授の退官年齢も65歳、最近は民間の医療法人でも定年規定を設けている病院では医師の定年は「65歳」が増えています。
国立大学医学部教授を退官した後の再就職先はどんなところがあるのでしょうか?
国立大学医学部教授経験者の中には、どこかの私立大学医学部教授として三顧の礼で迎えられ二度目の教授を務めるといった恵まれた医師も中にはいるようです。
しかし、これはレアケースであり、あまり一般的とは言えないでしょう。多くは非常勤講師や非常勤医として大学や一般病院での勤務を掛け持ちしながら、70歳くらいで二度目の定年を迎えるといった事例が多いようです。
一般的な勤務医の場合は、定年延長や嘱託契約への移行などで同じ病院での勤務を継続する医師もいます。しかし、定年を機に年収ダウンの提示を受けた場合などに「転職」を模索するベテラン医師が多くおられ、「医師転職コンシェルジュ」へご相談をいただくという事例が増えています。
65歳以上の医師求人傾向は?
日々届く病院など医療機関からの医師求人依頼を眺めていると定年後の65歳以上の医師には年齢の壁が確かにあります。しかし、勤務医の需給バランスで見ると医師不足の病院はまだ多いのが実情です。そして、定年退職後の再就職を模索するアクティブな65歳以上の医師も多くいらっしゃいます。
人生100年時代と言われる昨今において、65歳や70歳という年齢は、一昔前に世間が抱いていたイメージよりもずっとお若く、心身ともに健康な医師であればバリバリ働きたい、救急当直もやりますよという医師も中にはいらっしゃるくらいです。ところが、医師求人票という形で顕在化している医療機関側のニーズとしては65歳以上の医師を求むというものは殆ど見当たりません。
しかし、潜在的にはどうでしょうか?
実際のニーズは必ずしも年齢だけで線を引くといった画一的なものでも無いのが実態です。それでは65歳以上の医師求人の傾向を見ていきましょう。
超急性期病院(2.5次救急以上のイメージ)
65歳以上の「常勤医」を求める医師求人はあまり目にしません。
多くが30代、40代、稀に50代で部長職やセンター長を募集といった感じです。
大学医局との繋がりが強く、働き盛りの中堅・若手の医師スタッフが充実している傾向があります。しかし、「非常勤」では専門領域によってはベテラン医師に対する需要ありのケースが見られます。
一般急性期・地域包括ケア・療養型・回復期リハ病院
若手~中堅医師を望む場合が多い事は否めませんが、あまり年齢に拘らず採用を前提とした話しができます。慢性的な医師不足で65歳以上の医師が常勤医の大半を占める病院も少なくありません。そういった病院では65歳以上の医師は大歓迎で、働き方(勤務日数)も年収もかなり柔軟に相談が可能です。働き方次第で、役職・肩書ポジションや年収も定年前と同じレベルを維持できる場合もあります。
老健施設
介護老人保健施設の施設長募集では50代以降~65歳以上の医師がむしろ中心年齢層となる印象です。年収は病院勤務より低くなるケースが殆どですが、労働負荷もその分少なくなります。入所者の健康管理や入所判定などが主要業務で専門科目不問の医師求人が多くなっています。
在宅医療・訪問診療
超高齢化の進展に伴い医師の需要が増えている分野です。高齢患者さんを相手にする為、人生の酸いも甘いも嚙み分けた経験豊富なベテラン医師が歓迎される傾向があります。
産業医や社医(保険社医など)
一般企業で労働者の健康管理やメンタルヘルスなど産業衛生に関する仕事に携わる医師です。企業内診療所での定期非常勤勤務や健康診断などの業務もありますが、産業医の場合は「産業医」資格が必須となります。週3日や週4日勤務の医師求人も多く、病院での仕事と比較すると労働負荷が少ないため、少しペースを落として働きたいというベテラン医師には適した就業形態と言えます。
まとめ:65歳以上の医師求人は表に出にくい。それでもベテラン医師に対する需要は「潜在的には」存在する。
以上の通り、2.5次~3次救急を担うような超急性期病院では「非常勤」で週2や週3くらいの勤務で、65歳以上のベテラン医師の力を借りたいといった(潜在)需要があるケースがあります。しかし、残念ながら「常勤医」として65歳以上の医師を求める案件は殆ど表には出てこないのが実情です。非常勤に関してもあくまで「潜在的な」需要ですので掘り起こさないと表には出てきません。まだまだ5年や10年は一般病院でバリバリ仕事をしたいという65歳以上の医師の方は、潜在需要を掘り起こす必要がありますので一度「医師転職コンシェルジュ」にご相談ください。
超急性期病院以外では、一般病院、老健、在宅医療など様々な分野で医師が不足しています。そのような医師不足の分野では年齢不問の医師求人が見られます。定年退職後のセカンドキャリア、サードキャリアで再就職先をお探しの65歳以上のベテラン医師の方は何なりとご相談をいただければ幸いです。
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【将来を考える医師の転職】医師免許を活かせる他の仕事の可能性
・プロフィール
医師の転職支援サービス「医師転職コンシェルジュ」を運営し、自らもエージェントとして医師の転職をサポートしています。これまでに14年間、多くの医師の転職を成功に導きました。
経歴を見る
・経歴
1969年大阪生まれ
大阪明星学園・明星高等学校卒業(高校3年時・剣道3段、玉竜旗全国高等学校剣道大会出場)
関西大学 法学部法律学科卒業(専攻・民法総則=高森ゼミ第14期幹事、大学4年時・剣道4段)
1992年
総合商社 ニチメン(現・双日株式会社)入社。商社マンとして11年間(1992-2003年)勤務
2003年
NZ・Hawaii短期留学・ビジネス視察
2004年
株式会社レイ・クルーズ設立、代表取締役に就任。
大前研一塾長ABS(アタッカーズビジネススクール)第19期
~現在に至る。
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