- 転職
- 2017-9-23
【将来を考える医師の転職】放射線科の医師の生活
患者との接触が少ない放射線科医
放射線科の医師は一般の患者と接触する機会が他科の医師と比較すると少ないので、仕事内容が一般の人にはあまり知られてない診療科の一つであると言えます。
ただし、患者と接する機会は少ないのですが、他の診療科目の医師や看護師などとの連携は非常に重要になる科目なので、スタッフとの人間関係を上手く築く能力は何よりも重要です。
CT、MRI等を用いて形態学的観点から、病気の診断を行う事になるので、この診療科目を設けている病院は比較的大きな施設でCTやMRIなどの画像診断設備が整った病院や画像診断施設が中心になります。
放射線医学は、放射線診断学、放射線治療学、核医学の3本柱で構成されます。
放射線診断学は単純X線撮影やCT、核医学などの放射線を用いた検査法以外に、超音波検査や磁気共鳴検査といった放射線を用いない画像検査も含まれています。ゆえに、画像診断学とも呼ばれています。
放射線科の医師の業務内容は?
放射線科の中でも画像診断をメインとする医師の業務内容は、いわゆる読影が中心業務になります。
読影とは、病院で撮影されたレントゲンなどの写真から、CT、MRI、核医学検査などの画像を見て診断をつける仕事になります。
昔は、どこかの大きな病院の放射線科に所属して、読影業務を行なう事が、放射線科医師の業務の大半を占めるのが一般的でしたが、現在では、開業医の医師からCTやMRIの撮影、読影の依頼を受けるケースであったり、読影だけを外注する病院も少なくないので、それらの読影業務を受けるといった仕事もあります。また、IVRを行う際の撮影や女性のマンモグラフィーなども基本的に放射線科の医師が行なう業務内容になります。
CTやMRIなどの画像診断機器の技術的発展が目まぐるしい中、読影での診断結果が昔に比べでどんどんと診断の確定や治療方針の決定において、その重要さを増してきています。
放射線科の医師は忙しい?
放射線科の医師がほかの診療科目と比べて時間的に忙しいのか、忙しくないのかという議論は当事者で無いとなかなか明確に答える事が難しいのですが、放射線科が特別にほかの診療科目と比べて、時間的余裕があったり、或いはそれとは逆に、息をつく暇もないほど忙しいという事はないようです。
確かに、外科や内科のように患者の主治医や担当医になる事はあまりないので、比較的仕事に対する拘束や、時間的な制約に縛られる事は少ないといえます。
ただし、放射線科の医師も放射線治療の領域では患者さんや患者さんの家族と直に接して治療計画や治療の遂行をしますし、また、常勤医であれば当直やオンコール、救急などを行なうケースもあります。
また、他の診療科目よりも確実に忙しいといえるのはカンファレンスへの参加に関してでしょう。
他の診療科目の医師はそれぞれ自分の診療科目のカンファレンスだけに参加するか、或いは、例えば内科系の診療科であれば内科全体のカンファレンスに出席するといった具合かと思います。
ですので、基本的には1週間に1回や2回のカンファレンスに参加すればいいという医師が多いようですが、放射線科の医師の場合は、各診療科目すべてのカンファレンスに参加するケースが多いようです。
画像診断の無い治療は現在の治療では、ほぼありません。
ですから、どの診療科目にも画像診断の結果が疾病原因の特定や病気の確定、そして治療方針の決定に至る段階で必要になるので、放射線科の医師のカンファレンスへの参加が必須になっているという事のようです。この点においては他の診療科目よりも放射線科は忙しいといえるでしょう。これを前向きに捉えるならば、放射線科の医師なくして今の医療は成り立たない、それほど重要な仕事が放射線科の医師には期待されているという事です。
放射線科の医師にとっての物理的なメリットとしては、、他の診療科目と違って急患というケースは少ないので、イレギュラーに仕事が入ってくる事は少なく、計画的に仕事を進めやすいという点が挙げられると思います。
ただし、放射線科の専門医の数は不足していると言われており、計画的かつ自分のペースで仕事を進められる環境を整えやすいとはいえ、決して時間に余裕があるといった感じではなく、ハイペースに、しかも間違いが許されない仕事である為、正確に画像診断をこなしていかなければならない事が多いという話も放射線科の医師から聞く事があります。
放射線科の医師の将来性は?
放射線科の医師に限らずですが、医師は若い年代から平均的に高い年収を得られる傾向にあるのは周知の通りです。
30歳を超えると8割近くの医師が1,000万円以上の年収を得ているようです。
また40代になると年収1,000万円以上の医師は90%を超えるというデータからも経験年数に応じて順調に年収が上がっていくのが医師の世界では一般的です。
ただし、年収(常勤先の給与)が2,000万円を超えるような高額年俸を常勤先からの給与で取っている放射線科の医師はさほど多くはないようです。
都市部では年俸1,400~2,000万円といったレンジの放射線科医師は全体の約7割と非常に多いのですが、それ以上の高額年俸で契約している医師はさほど多くはいないというのが実態のようです。
例外的に、北海道や東北などの一部地域(医師不足の施設)や過疎地への赴任となると、2,000万円以上の年収を得ている医師は珍しくなく、ある統計によると北海道や東北の放射線科医師のうちの7割が年収2,000万円超というデータもあるようなので、放射線科の医師で高い年収を得たい医師はそれらの地域の病院に勤めるという手段をとるのも選択肢のひとつとしては良いかもしれませんね。
まあ、これはハードシップ手当とも言える類の割増報酬の性格がありますので、お金だけではない使命感・やりがいといったものが無いと何年も継続してやっていくのは難しいというのもまた事実でしょう。
・プロフィール
医師の転職支援サービス「医師転職コンシェルジュ」を運営し、自らもエージェントとして医師の転職をサポートしています。これまでに14年間、多くの医師の転職を成功に導きました。
経歴を見る
・経歴
1969年大阪生まれ
大阪明星学園・明星高等学校卒業(高校3年時・剣道3段、玉竜旗全国高等学校剣道大会出場)
関西大学 法学部法律学科卒業(専攻・民法総則=高森ゼミ第14期幹事、大学4年時・剣道4段)
1992年
総合商社 ニチメン(現・双日株式会社)入社。商社マンとして11年間(1992-2003年)勤務
2003年
NZ・Hawaii短期留学・ビジネス視察
2004年
株式会社レイ・クルーズ設立、代表取締役に就任。
大前研一塾長ABS(アタッカーズビジネススクール)第19期
~現在に至る。
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