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若手医師のキャリア形成、後期研修医~40歳くらいまでの医師のキャリア形成とキャリアアップ

医師のキャリア

医師が自分の将来像をイメージしづらい時代になりました。今回は医学部卒業後(医師免許取得後)3~6年目の後期研修前後のタイミングにある医師や、卒後7~15年目前後、専門医取得から40歳くらいまでの医師のキャリア形成とキャリアアップについて見ていきたいと思います。

若手医師の一般的なキャリア形成とは?

キャリアアップ

卒後3~6年目の後期研修前後の医師、それに卒後10~15年前後で専門医取得から40歳くらいまでの医師の最近のキャリア形成とは、一般的にどのようなものになっているのでしょうか?

一昔前(2004年より以前)までは、医学部を卒業すると、ほとんどの医師はどこかの大学医局に身を置き、医局人事に従って大学病院や関連病院(ジッツ)で指導医の下で大過なく普通に過ごせれば、一通り医師として必要なスキルや臨床経験、人脈、専門医資格などを手に入れる事ができたようです。

しかし、最近では初めから大学医局には入らないで自らのキャリア形成を自分でプランニングする医師が増加しています。

かつては医局員として周囲と同調して流れに身を任せていれば、それなりに一人前の医師として自然と成長できる環境があったとも言えますが、最初から医局に属さないというキャリア選択をする医師は能動的に自分自身のキャリアをプランニングする必要が生じました。

しかし、医師のキャリア形成はそう簡単な事ではありません。しっかりとした指導医の下で症例経験を積むには、それ相応の病院で研修を行う必要があります。市中病院で医師数が充実して、コメディカルなどを含め他の医療環境も質的、量的に充実している病院というのは限定的です。

どこの病院を研修先として選択するかはその後の医師人生を大きく左右する重大な決断となります。途中での方向転換も可能ではありますが、遠回りとなる事は否めません。長い人生、どんな経験も無駄にはならないと言いますが、最短距離で進むに超した事はありません。

後期研修医の研修先は?

研修医

初期研修を終え、医師としてのSpecialtyを選択する後期研修医の年代(卒後3~6年目)の医師は、どのような研修先やキャリア形成の道を選んでいるのでしょうか?
この年代の医師が選択している昨今の一般的なキャリア形成としては下記のようなものが挙げられます。

①大学医局

医局に在籍して大学病院、関連病院(ジッツ)で後期研修を行う。

②市中病院

医局には最初から属さずに自分で研修先を選択、就職した市中病院で後期研修を行う。

③大学院

学位取得(博士号)の為、大学院に通いながら後期研修や外勤アルバイトに勤しむ。

④臨床以外のキャリアを選択

臨床以外の道を選ぶ医師も以前よりは増加傾向。


40
歳前後は医師にとって悩める年頃

40代医師

臨床医ならば一度は「開業」を意識する事があるかもしれません。開業する医師の平均年齢は40歳前後と言われています。比較的早い時期に開業する医師が多い訳です。40歳前後といえば、医師としての経験年数は長くてもまだ15年弱でしょうから、症例数や経験値はまだまだ充分とは言えない時期かもしれません。それでも開業資金の長期借入が可能な「若さ」や「気力・体力の充実」が開業成功の必要条件のひとつとも考えられ、開業適齢期に勢いよくスタートを切らないと、そもそも開業が軌道に乗らない危険性が高くなるという事が窺えます。

医局に属している医師はこの開業適齢期とも言える40歳前後で、「開業」、「退局」、「転職」を意識し、自分のキャリアについて深く考え、悩む事が多いようです。

今や医学部生に占める比率が40%を超える女性医師については、30~40歳くらいにかけて「結婚」、「出産」、「育児」などでキャリア形成の方向転換を迫られる場合が少なくありません。「結婚」と「育児」については、男性医師も同様ですが、実態としては夫婦とも医師の家庭のケースを見てみると、女性(奥さん)のワンオペ(家事・育児)になりがちな事例を見受けます。「出産」をする場合、臨床現場を離れざるを得なくなるのは女性医師にとってある種の宿命的なものと言えるかもしれません。

また、社会人を経験してから(或いは他学部を経てから)医学部に入って医師になった人も多数います。これらの医師はストレートに(現役から3浪くらいまでで)医学部に入った人よりもスタートが遅い分、年を取っています。一人前になるまでに長い経験年数や症例数を多数経験する必要がある専門領域、例えば、第一線で活躍できる年数が短くなりがちな外科系Subspecialty(一例として心臓血管外科など)を選択する場合は、自分の年齢も客観的に考慮して、「やりたい」「なりたい」だけではなく、「実現可能か」「持続可能か」を冷静に判断した方が良いでしょう。

まとめ:医局に属さない医師が増加。医局の恩恵に預かれない環境に身を置く医師は、中長期的視野に立ち主体的かつ能動的にキャリアプランを立てる事が必須。社会人入学組の医師はSpecialty(専門領域)の選択には特に慎重に。

医師のキャリア形成は多様化しています。最初から医局に属さずに市中病院で後期研修を受ける医師も増加しています。医局に属さない事のデメリットも客観的に自己評価し、中長期に渡るキャリアプランを描く事が重要だと思います。40歳前後で医局からの退局、そして開業や転職を考える医師は、その先に続く20年(60歳)~30年(70歳)くらいまでの働き方を、ある程度明確にイメージしておく事が肝要でしょう。
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三木正孝

・プロフィール

医師の転職支援サービス「医師転職コンシェルジュ」を運営し、自らもエージェントとして医師の転職をサポートしています。これまでに14年間、多くの医師の転職を成功に導きました。

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・経歴

1969年大阪生まれ
大阪明星学園・明星高等学校卒業(高校3年時・剣道3段、玉竜旗全国高等学校剣道大会出場)
関西大学 法学部法律学科卒業(専攻・民法総則=高森ゼミ第14期幹事、大学4年時・剣道4段)

1992年
総合商社 ニチメン(現・双日株式会社)入社。商社マンとして11年間(1992-2003年)勤務

2003年
NZ・Hawaii短期留学・ビジネス視察

2004年
株式会社レイ・クルーズ設立、代表取締役に就任。
大前研一塾長ABS(アタッカーズビジネススクール)第19期
~現在に至る。